5. 釧路新聞にみる1993年釧路沖地震の社会経済的影響
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概要
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地震災害の社会的・経済的影響を適切に評価することは、将来の被災予測を行い防災に役立てる上で重要である。しかし、社会経済的被害の波及と復旧のプロセスは直接被害に比べ時間的に長期に及び、地理的にも広範囲に及ぶことが多い。このような問題を扱うために、筆者は従来から情報源としての新聞記事の利用を提唱してきた。新聞には政治・経済・社会・生活・文化などの広い分野から、災害と地域の係わりについてのニュースが掲載されており、情報として有用であることがわかっている。1993年1月15日に発生した釧路沖地震(M7.8)では釧路で震度6を記録し、釧路支庁を中心に北海道東部地域に広範な被害をもたらした。被害は家屋・建築物のみならず、ガス・水道供給施設、港湾・鉄道・道路網。など交通施設、農業・漁業施設など多岐に及んでおり、その影響と復旧までの過程は複雑である。そこで本稿では、釧路圏で広く購読されている地方紙の釧路新聞から約3ヵ月にわたって地震関連の記事を切り抜き、社会経済的影響について検討する。日を追っての地震関連記事の件数には、概ね対数的な減少傾向がみられる。2月始めには10件近い記事が載っているのに対して、4月末には日に1〜2件となっている。第一面への掲載も頻度が減っているが、4月に入っても3日に1度は何らかの関連記事がみられる。また被災復旧事象として、ガス・水道などの供給関係、交通関連、経済的影響、市民生活、防災対策を例にとり、関連記事を抽出し話題の展開・動向を概観してみる。
著者
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