21. 地震発生直後の災害情報の早期収集の意義とその課題

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大地震の発生直後には、平常時の情報伝達網が十分に機能しないとともに、一方では様々な被害情報が乱れ飛ぶなど、災害情報の混乱が想定されることは、これまでの幾つかの事例からも明らかである。しかし、こうした事象そのものを防ぐことはかなり困難と思われ、問題は、こうした状況の下で災害対策本部として如何に迅速かつ正確な災害情報把握を行うかという、体制づくりにあると思われる。何故なら、多くの(あるいは限られた)災害情報の中から、防災対策実施上優先させるべき重要な、もしくは緊急性を要する災害事象を的確に把握することが、応急対策の初動対応の正否を左右するからである。しかしながら、電話が幅輳等によって十分に機能しないときの災害情報収集体制は果たして現状で十分なのだろうか。そのときに起こり得るであろう混乱に対する対応策や、そうした条件を想定した場合の情報収集の計画は実践的に立てられているであろうか。実際には、例えば一般市民からのかけつけ通報の受け入れ体制や、また「草の根情報収集体制」(市内を積極的に巡回するなどして能動的に災害状況を把握する体制)については、現時点ではあまり意識されていない市町村が多いのではなかろうか。これなにどう取り組むかは、各自治体の防災部局における災害情報、特に地震発生後の初期情報の収集に対する必要性の認識、位置づけにかかっていると思われる。本報告は、地震発生直後における災害対策本部等における火災等の緊急を要する災害情報の早期収集の意義と課題について試論的に整理を行ったものである。

21. 地震発生直後の災害情報の早期収集の意義とその課題

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