高齢者施設における施設ユーザーと看護・介護従事者による色彩環境評価の共通点と差異について : 高齢者の回復期ケアを目的とした施設空間の色彩設計に関する研究
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概要
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本研究は、高齢者のケア環境として、加齢による感覚機能の低下をやわらげ、ユーザーのQOLを支援する適切な色彩設計の指針を明らかにすることを目的とする。そこで、エンドユーザーの立場から、実際的な施設の使い手であるユーザーと従事者の双方向から施設の廊下と療養室の色彩環境について、価値観の差異を調査した。結果、両者の共通点として、(1)療養室については、ピンクと白で設えられた「清潔な」色彩環境を望む。(2)高明度のグレーの壁にピンク色のカーテンで構成した療養室を「清潔」で「優しい」と評価する。(3)ベージュの壁にオレンジ色のドアやカーテンで構成した環境を「陽気な」「楽しい」と評価する。相違点として、(4)廊下については、ユーザーは、陽気で明るい明瞭な色彩環境を望むのに対して、従事者は、清潔で落ち着いた曖昧な色彩環境を望む。
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