一般演題4 原爆被爆体験の死生観への影響
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概要
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死生観には,人生の経過や現在の生活における様々な要因が影響することが考えられており,長崎市においては原爆投下という過去の体験が死生観へ影響を及ぼしている可能性が考えられる.今回,原爆被曝体験が死生観へ影響しているか否かを明らかにすることを目的とし,長崎県内の施設に入所する65歳以上の高齢者136名(平均年齢83.47歳)を対象に死生観尺度,QOL調査票を用いて調査を行った.分析の結果,被曝者群と非被爆者群の死生観因子の得点の比較において,7つの因子中6つの因子で統計的有意差がみられ,原爆被曝体験が死生観へ影響していることが示唆された.被曝当時,自らの生命の危機だけではなく,周囲の悲惨な状況を目の当たりにしており,そのことが死生観へ影響していると考えられる.
- 2008-09-25
著者
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貞森 直樹
長崎県立大学シーボルト校大学院人間健康科学研究科
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三根 真理子
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科原爆後障害医療研究施設資料調査室
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三根 真理子
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科附属原爆後障害医療研究施設 資料収集保存部資料調査室
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三根 真理子
福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター
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