3 一般病院での緩和ケアチームの活動とオピオイド鎮痛薬の使用(第631回新潟医学会,新潟県の緩和ケアの現状-それぞれの立場から-)
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概要
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一般病院でもがん治療とともにがん痺痛治療を同時に行う必要があるため,緩和ケア研究会の幹事メンバー(医師,薬剤師,看護師,栄養士)とともに,緩和ケアチームを立ち上げ,全病棟のラウンドを開始した.2007年4月1日から,がん対策基本法が施行され,率先して痺痛治療を行わなければならなくなった.当院はがん診療連携拠点病院であるとともに,研修指定病院にもなっており,若い研修医や看護師,医学生や看護学生への影響が多大である.がん疼痛治療を実践してくれない常勤医に代わって,常に患者の傍にいる研修医などを教育することでよい結果が得られてきた.2007年4月現在,ラウンドは毎週火曜日に医師1名以上,看護師,薬剤師と栄養士は1名ずつで,全病棟を巡回している.これに,研修医,医学生,薬科大学院生などが加わる.ラウンド後に全症例のカンファレンスを開催している.2007年3月までの最近の2年間にラウンドした207例の依頼理由は80%以上が疼痛関連であった.ラウンド回数は平均5回(1回〜75回)であり,ラウンド回数が多くなるほどチームとのかかわりが親密になりよい影響を与えていた.WHOが推奨するがん癒痛治療法は以下の5原則に要約されている.(1)By mouth(経口的に),(2)By the clock(時間ごとに),(3)By the ladder(段階的に),(4)For the individual(個別的な量で),(5)With attention to detail(細かい配慮を)であり,これを熟知し,除痛により延命が可能になることを他の医療者,患者,家族に啓蒙する必要がある.当院での入院患者の徐放性オピオイドの使用状況は,2006年時点でMSコンチン^[○R]4%,オキシコンチン^[○R]58%,デロテップパッチ^[○R]31%,アンペック^[○R]7%となっている.オキシコドン速放製剤がレスキュー使用可能となり,オキシコドン徐放錠がさらに使いやすくなった.経口摂取可能な間はオピオイドも経口でということで,オキシコドン徐放錠をFirst Choiceで使用している.ASCO(米国臨床腫瘍学会)のガイドラインにもあるように,フェンタニル貼付剤は痛みが安定していて経口摂取に問題がある症例に勧めている.医療者はWHO方式がん痺痛治療法を熟知し,癌治療と平行してがん痺痛治療も行っていかなければならない.
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