日本における製材業の生産構造と技術変化に関する経済分析
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概要
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本稿は日本における製材業の生産構造や技術変化を分析したものであり,1970〜2004年間の年次データを用いてトランスログ型費用関数を推定し,投入要素の代替関係と価格弾力性,規模の経済性,技術発展の方向,全要素生産性の成長率を計測した。生産構造の検討において,同調性,同次性,単位代替弾力性,中立的な技術発展,技術変化なしの仮説が棄却され,一般型関数を用いて分析を行った。投入要素は互いに非弾力的な代替関係にあり,一つの要素の不足を他要素により代替し難いことを意味する。また,製材業には規模の経済性が存在し,生産規模が市場需要に相応していないことが明らかとなり,生産規模を調整する必要があることが示された。次に,製材業の技術は,木材中立的,労働節約的,資本使用的に発展されたことが示された。最後に,製材業の全要素生産性は微減の傾向にあり,費用節減の技術発展が負の規模効果に相殺されていることが明らかになった。これは,製材業において生産性を向上させるため規模効果の改善が重要な課題であることを示唆する。
- 2009-02-01
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