戦後史から見るドイツ語語彙検証(人文科学・社会科学・語学・文学)
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概要
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2005年の研究紀要は『Der Spiegel』誌から35年間の語彙を摘出し語彙分析した。それによって多くの語彙が変化していることを確認できた。さらにその時代の社会的な背景によって歴史的に象徴される語彙が生まれ、社会世相の特徴的な表現が生まれている。今回、戦後史を通して語彙検証をしてみた。とくに戦後の日本とドイツはアメリカの影響が強く、アメリカ依存しているところが非常に大きい。アメリカの政治、経済、社会、文化分野は現実の生活と切り離すことができない。アメリカ社会の底辺を流れる商感覚と経済的価値観は一世紀前と変わっていない。アメリカ社会はグローバル化の中で大資本による拡大再生産方式を取り入れている。小規模経営者は大資本によって食い潰され、いままでの共存社会を壊して弱肉強食的社会になっている。さらにアメリカの歴史は戦争を抜きにしては語ることのできない。平和への重みや平和に対する価値観はアメリカ政府と敗戦国ドイツとは大きな相違がある。戦後史の流れの中で人間の生きることの大切さが重視されているドイツとそれに比べアメリカや日本は経済が優先され人間性は二の次である。とくにドイツ社会は環境や人間性を重視している。生活面と文化的背景を比較してみた。現在、政治経済文化面による外圧だけでなく、言語環境も外来種として流入している。その点ではドイツ語も日本語も外来種としての外来語には寛容な社会といえよう。次のテーマを取り上げた。I 戦後復興期 II 戦後のアメリカニズムの浸透 III 東西冷戦期 IV 多文化主義への移行 V 世界の驚く歴史的出来事 VI 市民運動 VII 地球温暖化 VIII 戦後の外来語流入と言語同化について戦後史の中でみるドイツ語彙を取り上げ検証してみた。
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