ハービー・ぺニックのゴルフ指導法の検討 : 『奇跡のゴルフレッスン』の小見出しのグループ化によって
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概要
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ハービー・ぺニック(Harvey Penick; 1904-1995)は,非常に優れたゴルフの指導者として世界のゴルフ関係者にその名が知られている.数多くのゴルファーを上達させたペニックのゴルフ指導法を特殊な事例と見なして,そこにスポーツ教育学的な普遍性を探求せずにおくことは損失である.本研究は,ぺニックのゴルフの指導書『奇跡のゴルフレッスン』の目次の小見出しに着目して,KJ法を用いて特徴を捉えて検討した.『奇跡のゴルフレッスン』の小見出しは92個ある.そのうち,「訳者あとがき」を除いた91個の小見出しを,情報カードに書き出して分類作業を施した.先ず,同じ単語を含むカードのグループにまとめて,グループ名を命名した.次に,小見出しの内容がごく近いカード同士をグループにまとめ,グループ名を命名した.最終的なグループにまとめて,グループ名を命名したところ,ぺニックのゴルフ指導法は,7つの特徴があることが明らかとなった.すなわち,「基本技術」,「ゲームの課題」,「ストロークのメカニズム」,「学び方」,「伝え方」,「良識」,そして, 探求心」である.彼は「基本技術」や「ゲームの課題」の内容で教授し,「スイングのメカニズム」の理論的な裏づけを欠かさず,生徒への「伝え方」に細心の注意を払った.また,「学び方」を指導する手間を惜しまず,「良識」的に立ち振る舞い,あくなき「探究心」によって自身のゴルフ指導法を高めた.ペニックのゴルフ指導法は,模範的であり,基本に忠実で,解り易さにおいて傑出していた.本研究によって,ペニックのゴルフ指導法の特徴が解明された.今後もペニックに関する研究を進めて,ゴルフ指導法に関する普遍性をまとめ,また,他のスポーツ指導法に応用可能な手がかりを見つけ出したい.
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