心臓の再生医療(再生医療の進歩)
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概要
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重症心不全に対する心臓移植が本邦で再開されてから10年が経過したが,慢性的なドナー不足は解決されていない.そこで新たな治療法として注目されているのが,さまざまな細胞を用いた再生医療である.心臓再生の方法としては,外部から心筋細胞へと分化する可能性のある幹細胞を補充する細胞移植療法と,組織に内在する心筋幹細胞の分化・増殖を誘導する細胞分化誘導療法に大きく分けられるが,前者によるものが大半を占める.移植する細胞の候補としては骨格筋芽細胞,骨髄細胞,間葉系幹細胞,心筋内間葉系細胞であるcardiosphere,ES細胞,iPS細胞などが挙げられている.これらの細胞移植の臨床効果を向上させるためには,細胞シートやナノバイオテクノロジーなどの組織工学的技術も必要欠くべからざるものである.心筋再生技術は幹細胞からの心筋細胞の分化誘導,分化した心筋の精製,純化,効率的な移植法の開発といったいくつものステップを経なければならないが,各ステップで着実に成果が生まれつつあり,臨床応用に向けて今後のますますの発展が期待される.
著者
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