アダム・スミスの犯罪 : 労働価値説史の錯綜
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概要
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経済理論学会第55回大会で、「スミス・マルクスの資料操作とマカロック」という報告をした。報告時間は30分。出所註まで付けたフルペーパーを別途書かねばなるまい。だがその前に、報告寸前に付けたオチ「アダムスミスの犯罪」を纏めて一文とする。労働価値説の継承史に関して意外に重味を持つ事柄だからである。スミス(Adam Smith, 1723〜1790)のペティ隠しは,経済学史、特に労働価値説史にとってとんだ罪作りだった。この隠蔽がなければ、労働価値説史はリカード(David Ricardo 1772〜1823)を経てヨリ鮮明な軌跡を示したろうし、マルクス(Karl Marx 1818〜1883)も早トチリなどせずに、本格的なペティ評価を残し得たかも知れない。スミスのペティ隠しは、経済学の流れに、通常考えられる以上に大きな否定的影響を与えたのである。
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