中級日本語教材に関する一試案
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概要
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日本語学習段階における中級レベルでは,限られた時間の中で学習者に数多くの文型表現・語彙・漢字などを導入しなければならない。また学習者にとってこの段階は,自らの進歩を自覚しづらく学習のモチベーションを維持するのが難しい段階と言える。そのような中で,学習者に満足感を与えながら必要な学習項目をより効率的に導入するためには,用いるテキストの内容が重要となる。本稿では,筆者のグループが共同で作成したオリジナル中級テキストを例に,どのような中級日本語教材が望まれるかについて述べた。筆者グループ作成のテキストは,(1)本文を短めにし,バランスよく文型表現等を配置して効率的な導入が行えるようにする,(2)語句の理解と定着のため適切な例文を多く提示する,(3)学習した内容が作文や会話で実際に使えるものであると実感させる,(4)中級前半から後半まで連続して使える統一的なテキストにする,というコンセプトのもと,作成された。2005年度春からの試用を通じて,筆者グループの試みに一定の効果が見られたと同時に,一課に配置する文型表現・語彙・漢字の数やレベルにやや不適当な部分がある,実際に使えるようにするための練習内容に工夫が必要,などさらなる課題も見えてきたことを述べた。
- 同志社大学の論文
著者
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