刑法条文のひらがな
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概要
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1995平成7年に刑法が「表記の平易化」として改正された。その改正刑法の条文について,ひらがながどのような語・形態を書き表しているか,しらべた。ひらがなは,異なりが58,延べが10227で全文字の46.37%である。その全部を整理し,出現頻度がおおきい23字についてつかわれかたを報告する。この23字で,ひらがなの延べの90%にいたる。1位「の」は,79.4%が格助詞「の」をしるしたものである。以下,2位「は」は,接続詞「又は」41.2%および「若しくは」13.6%の「は」も副助詞であるとするならば,すべてが副助詞「は」,3位「に」は,93.1%が格助詞「に」,4位「し」は,68.6%が動詞「する」の活用形「し」,5位「る」は,動詞「する」の語尾72.1%をふくめて,85.8%が靡き「る」,6位「を」は,すべてが格助詞「を」,7位「す」は,96.4%が動詞「する」の活用形「す・する」,8位「だ」は,89.1%が助動詞「だ」の活用形「た」をしるし,それぞれのかなで一つの語・形態に集中している。刑法条文の文章が様式化し,用語の範囲がせまいためにそのように集中しているのであるとおもわれる。ただし,以下は,かならずしも集中せず,9位「と」は,格助詞「と」41.3%「とき」32.8%「こと」24.0%,10位「で」は,接続助詞「て」81.3%,11位「い」は,助動詞「ない」語尾27.6%,形容詞「ない」語尾11.0%,「…について」22.8%,「…において」13.6%, といったようである。
- 同志社大学の論文
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