肺結核症ノ豫後ニ關スル研究 第2篇 : 肺結核患者,殊ニ各病型及ビ諸病期ニ於ケル網状赤血球ノ態度並ニソノ豫後的考察
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概要
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輓近血液病學ノ發達ニ因シ,末梢血液ノ形態學的所見ヲ以テ,諸種疾患ノ診斷並ニ豫後判定ニ資セントスル傾向顯著ナリ.白血球方面ハ論ヲ俟タズ,赤血球方面就中網状赤血球ノ動向ハ病機ニ關スル意義殊ニ重要ナリトシテ,諸家ノ留意スルトコロトナレリ.例ヘバ造血機轉ニ封スル重要指標トシテノ貧血症等ニ於ケルソノ増加ハ夙ニ周知ノ事實ナルモ,近時Szour and Bergenbaum等肺結核症ノ經過ニ於ケル網状赤血球ノ興味アル變化ヲ提唱シテ以來,我邦ニ於テモ勝沼,韓ハソノ死戰期ニ於テ,崔ハ初期ニ於テソノ消長ノ意義ヲ明ナラシメタリ.茲ニ余ハ我飯塚内科ニ收容セラレタル肺結核症68例ニ就キ,諸病型ニツキ各病期ニ於テ網状赤血球ノ出現率ヲ吟味シ,更ニソノ動向ヲ各經過ヲオヒテ追及シ,殊ニ未ダ闡明セラレザル喀血時ノ消長ニ就テ檢シ次ノ結果ヲ得タリ.1)輕症肺結核ニ於ケル網状赤血球ノ出現率ハ指數平均0.38ニシテ,健康人指數平均0.31ニ比シ稍々増加セリ.2)中等症肺結核ニ於ケル指數平均ハ0.70ニシテ著明ニ増加セリ.3)重症肺結核ニ於ケル指數平均ハ1.53ニシテ著シク増加セリ.而シテソノ動搖範圍ハ極メテ大ナリ.4)個々ノ症例ニ就テ經過ヲ追ウテ檢スルニ,大體ニ於テ症状重篤トナルニ從ヒ網状赤血球増加シ,輕快スルニ從ヒテ減少ス.症状ノ變化著シカラザル時ハソノ動搖亦明ナラザル場合多シ.5)網状赤血球ノ各型ニ於ケル比率ノ動搖,殊ニ所謂左方移動ノ意義ハ指數ノソレニ及バズ.6)總ベテ喀血時ニ於テハ殆ド常ニ指數ノ著明ナル増加ヲ見タリ.7)赤血球沈降速度ハ凡ソ病機ニ從フトイヘドモ,ソノ敏感度ニ於テハ網状赤血球ニ及バザルガ如シ.赤血球數,血色素量ハ重症者ニ稍々減少セルモ著明ナラズ.
- 京都府立医科大学の論文
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