あんぎーなえぴぐろっちかニ就テ
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概要
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會厭軟骨部ニ限局スル原發性急性炎症ハ比較的稀ナリ.余ハ最近二年間ニ京都府立醫大耳科教室ニ於テ,該患者六名ヲ觀察シタレバ,其概要ニ付キテ述ベタリ.該患者ハ何レモ皆從來健康ナリシ成人ニシテ,突然咽頭痛,嚥下困難及發熱ヲ以テ發病シ,他覺的所見ハ會厭軟骨舌面ニ於テ著明ナリ.而シテ消炎療法ニヨリ,化膿スルニ至ラズシテ,其儘炎症ノ消退セルモノアルモ,其多クハ舌面ニ於テ,限局性ノ膿瘍ヲ形成セリ.而シテ何レモ豫後佳良ニシテ,自開或ハ切開ニヨリ發病後十數日ノ經過ヲ採リテ全快セリ.然レドモ該部位ヨリ其他ノ部位ニ炎症ノ蔓延シ,或ハ喉頭軟骨膜炎等ヲ招來スルコトナシトセザルヲ以テ本症患者ニ遭遇スルトキハ輕々ニ之ヲ看過スルコトナク周到ナル注意ヲ拂ヒ適當ナル治療ノ途ヲ講ジ,合併症ノ續發ヲ未然ニ防止スルニ努メザルベカラズ.而シテ患者ガ咽頭痛及ビ強キ嚥下痛ヲ訴ヘ其口腔並ニ口狭,口部咽頭等ニ他覺的變化ノ顯著ナルモノヲ見ズシテ自覺症ヲ説明スルニ苦ム時ハ必ズ喉頭鏡檢査ヲ行ヒ以テ本症ヲ看過セザル樣注意セザルベカラズ.而シテ本症ノ成因ニ關シテハ,此處ニ明言スルヲ得ザルモ,會厭軟骨舌面ノ食物嚥下時ニ損傷セラレ易キ解剖的位置關係ヲ有シ,加之其舌面ノ粘膜下織ハ喉頭各部位中最モ緩粗ナルヲ以テ,食物嚥下時ニ際シ,極メテ輕度ノ損傷ヲ蒙リ,此處ニ傳染ヲ招來シ以テ本症ヲ喚起セシモノト思惟スルヲ以テ穩當ナリト信ズ.
- 京都府立医科大学の論文
著者
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