リサーチツール特許問題の多様な解決方法について
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概要
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論説(article)リサーチツールに対する特許権により、リサーチツールを用いた研究自体が独占されてはならないという懸念から、リサーチツールの特許権に何らかの制約を課すべきであるという問題がある。しかし、制約が強すぎれば、新たなリサーチツールの開発インセンティブを減じる虞があり、保護と活用のバランスを取ることが重要である。解決策として、試験研究に対する特許権の効力制限条項の活用、強制(裁定)実施権制度の活用、研究ライセンス契約を促すためのガイドラインの作成等の方法が主張されている。本稿では、日米における議論を俯瞰し、これらの方策を適宜組み合わせ、使い分けることによる妥当な解決を検討した。There is increasing concern that patents on research tools may retard research projects because of limited access to the tools. This article examined several arguments in Japan and U.S. for balancing of patent protection and exploitation of the research tools. The possible solutions might be experimental use exemption for patent infringement, compulsory license, and some guidelines for research licensing. These measures could be properly applied together with each others according to circumstances.
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