特許権の存続期間延長登録と薬事法上の製造承認
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概要
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論説(article)特許権の存続期間延長登録は、医薬品の有効成分と効能・効果が同一である製造承認が複数ある場合は、最初の処分のみに基づいて可能であるとする解釈が、裁判例の一貫した立場である。最近の判決例では、当該処分によって、その特許発明の実施が初めて可能になった場合についても、有効成分と効能・効果を同じくする処分が先になされていたことを理由として延長登録を認めていないが、これにより、有効成分と効能・効果以外に特徴を有する特許発明については延長登録が認められなくなる帰結には疑問がある。欧米の特許期間延長制度は、日本とは立法趣旨も制度設計も全く異なることを明らかにし、この問題について欧米の制度と表面的に整合させることは無意味であることを論じた。Courts repeatedly affirmed the denial of patent term extension which was based on the second approval for the same active ingredient and indication under the Pharmaceutical Affairs Law. The rejection is arguable in such case as the patentee could not exercise the patented invention at all before the approval because the patent was granted not for the active ingredient or indication but a new delivery system. This article examined comparatively the patent term restoration in Japan, U.S. and EU, and unfolded that the purposes and structures of the patent term restoration in these countries are quite different from each others'. Japanese construction should not be harmonized only superficially with those of U.S. and EU.
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