高齢難聴者におけるバイノーラル音声増幅の効果 : 人工耳介の効果について
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概要
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「カクテルパーティー効果」はステレオ聴取においてよく知られている現象である。我々は、高齢難聴者において、バイノーラル音声増幅器を用い、受聴明瞭度における耳介の効果を調べた。使用したバイノーラル音声増幅器の指向周波数特性は、高周波数において後方からの音を抑制する効果がみとめられた。聴取実験での対象者は24人の高齢難聴者であった。20の2モーラ単語を前方のスピーカより70dB(A)で呈示し、白色雑音を後方のスピーカより60dB(A)で呈示した。対象者は、人工耳介の有るバイノーラル音声増幅器および人工耳介の無いバイノーラル音声増幅器を通して聴取した。軽度高齢難聴者においては、耳介のあるバイノーラル音声増幅器の方が耳介のないものに比べよりよく聞き取ることができた。以上の結果から、軽度難聴者においては、耳介効果を活用できることが示唆された。
- 2008-03-25
著者
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原島 恒夫
筑波大学
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原島 恒夫
筑波大学大学院人間科学総合研究科
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行方 真実
群馬県立東毛産業技術センター
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吉澤 弘高
群馬県立東毛産業技術センター技術支援グループ
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行方 真実
群馬県立東毛産業技術センター技術支援グループ
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