点と点のあいだ : 中間領域への接近
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概要
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本研究では、木村敏の「あいだ」理論と、D.W.Winnicottの「中間領域」を中心に据え、音楽理論における対位法・フーガ・小節線のない前奏曲を契機に、心理療法における「あいだ」と「あいだの間」への接近を試みた。あいだの検討には、認知的側面から「点と点」、クライエント-セラピスト関係に重きをおいた対人関係としての「人と人」、コミュニケーションの主流である「ことばとことば」、音楽における「音と音」、芸術活動・芸術療法の一技法としてのコラージュの「パーツとパーツ」を用いた。あいだの間には、点と点、つまり、主体と主体・主体と対象・対象同士の間の構造とその関わりがある。これらにより、各様相のまとまりを左右するのは、あいだの間のとり方によることを論じた。あいだの空間を保ち継続させるには、1.共有する枠組みの中での相互作用、2.互いの信頼関係、3.あそびの要素、4.互いを感じ、思いやる姿勢、などを必要不可欠としている。また、あいだの間を形づくるものには、1.つなぐ要素、2.切る(区切る)要素、3.再結合の要素があり、この「間」のありようによって、「あいだ」を含む全体のゲシュタルトが形成される。
著者
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