日高帯北東部に分布する湧別層群の砂岩の岩石学的研究
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概要
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湧別層群の砂岩は火山岩片の含有率が極めて卓越した石質砂岩であり,火山岩片の中では中性岩片が優勢である.またスコリアや溶結凝灰岩などの不安定な火山岩片がかなり含まれることから,供給源の堆積時における火山活動が推定される.岩片にはこれらのほかに酸性深成岩やチャート,準片岩,砂・泥質の堆積岩片が含まれる.湧別層群と中の川層群との間には岩片・鉱物片の構成に大差はないが量比にちがいが認められる.とくに中〜塩基性岩の比率は中の川層群に比べ湧別層群の方が高い.また両層群とも,塩基性岩片の比率が上位に向かって増す傾向が認められる.これらのことから,両層群は同一の供給源に由来したものであり,かつ湧別層群は中の川層群の上位に位置すると推定される.供給源は湧別層群の古流向の検討(KIMINAMI & KONTANI, 1979)から東方に存在したオホーツク古陸と推定される.
- 地学団体研究会の論文
- 1980-11-25
著者
-
君波 和雄
山口大・理
-
紺谷 吉弘
立命館中・高等学校
-
君波 和雄
Department of Geology and Mineralogical Sciences,Faculty of Science
-
紺谷 吉弘
Department of Geology and Mineralogy, Faculty of Science, Hokkaido University
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