検索時の構えが自伝的記憶の想起に及ぼす影響
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概要
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本研究では、自己高揚や、失敗を繰り返さないという教訓を目的として、自伝的記憶を想起させた場合、Ross & Wilson(2002)と同様に、現在に近いエピソードはポジティブな感情が生起し、現在から遠いエピソードはネガティブな感情が生起するか検討した。教示によってエピソードの検索時の構えを操作し、これまでの人生から3条件(印象条件、自己高揚条件、教訓条件)のエピソードの想起を求めた。一週間後に、再度同じエピソードの想起を求め、再想起されたエピソードと忘却されたエピソードの感情のタイプと強さを比較した。さらにエピソードが生じた時期の、現在からの客観的遠さと主観的遠さの違いを捉えることを試みた。結果から、自己高揚的及び教訓的エピソードを意図的に想起させた場合、現在から遠いほどネガティブエピソードが想起されるという結果は示されなかった。したがって、自己高揚や教訓のために、意図的に過去のネガティブエピソードを想起するという方略は取られないことが明らかになった。
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