腸吻合時の腸間膜裂隙閉鎖法の工夫について

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概要

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【目的】腸切除・吻合術の際に生じた腸間膜の裂隙を,縫合せずに閉鎖する術式を考案して施行しているので報告する.【方法】腸間膜処理の際には結紮切離部が存在する.この部位を含みその断端を曲モスキート鉗子で把持する.相対する口側および肛側の腸間膜を把持した曲モスキート鉗子で引き寄せ鉗子の先端をU字型(または逆八字型)に近接させ,把持した部位を結紮する.この操作を繰り返して腸間膜の裂隙を閉鎖する.鉗子で把持する適切な結紮糸断端のない部位では,腸間膜の腹膜面のみを曲モスキート鉗子で把持して同様な方法で結紮する.【結果】過去25年間以上にわたり,同閉鎖法にて出血,血腫形成,腸管の血流障害を発症したことはない.術後に,裂隙の再発生や腸間膜裂孔ヘルニアを発生した症例はない.【結論】本腸間膜裂隙閉鎖法は簡単で,特殊な器具を必要とせず,合併症を伴うことはなく推奨すべき術式と考える.
日本小児外科学会の論文
2008-10-20

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