市販の界面活性剤およびペクチン分解物と低温加熱による抗菌性について
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概要
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市販のペクチン分解物と脂肪酸エステルおよび低温加熱の併用による抗菌作用について検討した結果、次のことが明らかになった。1.当該ペクチン分解物を市販しているアサマ化成(株)によると、この物質は酵母や乳酸菌にも効果があるということであったが、試験した結果、大腸菌とブドウ球菌および乳酸菌の一部に対してのみ抗菌効果を発揮した。2.酵母のZ.rouxiiについてさらに検討した結果、モノグリと低温加熱の併用が効果があることが明らかになった。3.乳酸菌のL.farciminisに対しては、モノグリと低温加熱の併用が顕著に効果があることが明らかになった。4.サルモネラ菌であるS.enteritidisについても検討した結果、顕著な効果ではないが、低温加熱の有無に関わらず、モノグリに抗菌効果があることが明らかになった。5.実際に、マヨネーズタイプ調味料に乳酸菌を接種して、これらのモノグリと低温加熱の効果をみたところ、若干の抗菌作用が認められた。以上の結果から、ペクチン分解物についてはみるべき効果は見いだせなかったが、モノグリと低温加熱の併用は、食品で問題となることの多い酵母、サルモネラ菌および特に乳酸菌に対して効果があることが明らかになった。今後は、さらに詳細にこの抗菌作用機作および具体的な食品への有効利用等を考えてゆく必要があるものと思われる。
- 活水女子大学の論文
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