第4報 貝肉蛋白質構成アミノ酸含有比との比較(軟体動物の貝殼有機物に就て)
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概要
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1、貝殼の塩酸不溶性物質構成アミノ酸含有量との比較検討を行う爲、同種貝肉蛋白質3目、6種についてその構成アミノ酸をpaper chromatographyによつて分離、18種のアミノ酸の存在を確認しその中11種について定量を行つた。各試料共脂肪族中性アミノ酸の占める比率は貝殻有機物の場合より若干低く、酸性アミノ酸特にglutamic acidは著しく増加している。又leucine & iso-leucine及び眞瓣鰓目を除いてphenylalanineが増加し、glycine,α-alanineが減少しているが、全般的には平均した含有量を示している。ヨメガカサとアワビのアミノ酸含有比率は他の試料とその趣を若干異にしている。アミノ酸含有比率による種目間の差は何れのアミノ酸についても認められなかつた。2、各アミノ酸含有量はα-alanine含有率を100として換算比較するとarginine及びglutamic acidに種目差が認められ、貝殼有機物において差の認められたものの中arginineを除くglycine,phenylalanineには種目差が認められなかつた。差の認められるアミノ酸の換算比卒は原始腹足目<不等筋目>眞瓣鰓目となつており、貝殼有機物の場合と異つている。これらの差は貝肉、貝殼有機物共構成アミノ酸の中最も多量に含有されるものについて顯著に現れている。3、この結果より貝肉と貝殼有機物を構成するアミノ酸組成の間には特異的な關聯性は殆ど存在しないと想像されるが貝類の分類と關聯してこの様な種目間の差が認められる事は興味ある事である。
- 活水女子大学の論文
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