第2報 分類別による海産貝殼中の塩酸不溶性物質構成アミノ酸含有比(其の一)(軟体動物の貝殼有機物に就て)
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概要
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1、海産貝殼の塩酸不溶性物質構成アミノ酸をpaper chromatographyによつて分離し、そのspotの画積比を檢討した所、一般的に各アミノ酸の面積比間には、貝の種目による一定の差は認められなかつたがglycineとalanineの間にはこれが認められた。即ちalanineの面積を一定とした場合、glycineの面積は眞瓣鰓目が最も大きく現われ、次で不等筋目原始腹足目の順となつている。2、之等のアミノ酸の含有率を、既知濃度のアミノ酸の一定量を試料と同一濾紙上に取り展開後、其等のninhydrin反應による呈色物を抽出、比色して比較する方法によつて求め、alanineの含有率を1とした場合のglycineの含有量比を算出した所、面積比とはかならずしも一致しないが、面積比で認められた貝の種目の相違による差は含有量比に於ても明かに認める事が出來た。3、之等の面積比及びalanine,glycineの定量結果より、貝殻中のアミノ酸の構成は、魚膠及びgelatinに類似するものである事が想像され、特にアゲマキに於ては鮫皮の魚膠に近いものである事が分つた。
著者
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