卒業論文データベース化プロジェクトの現状と課題
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概要
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われわれは本稿で,現状のデータベースについて紹介し,それに基づいて卒業論文集の特徴を数量的に明らかにし,若干の教育社会学的考察を試みた。その結果は,卒業論文作成の主体的条件となる「著者属性」について,I期〜II期に留年生の出現と臨床経験との間に負の中程度の相関関係を見出した。III期に留年生出現率が0.0になる要因として,新カリキュラムが臨地実習を推進することで,学生集団内に競争原理が働く余地が生じたと考えられた。卒業論文の対象となる「患者属性」について,i)高齢者の事例が多く,診断名も生活習慣を背景とする疾病が33%を占めていた,ii)総事例数に占める成人看護,老年看護,精神科看護の事例数の合計の割合は,カリキュラム変更の前後で77%±0.5以内であった。iii)総事例数の30.2%を占める精神科事例には藍野学院の人道主義的傾向と高齢化社会の影響が見られた。また,精神科看護学を設立させた社会的要求について検討した。
著者
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