山形庄内地方の郷土料理
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
山形県庄内地方は,最上川河口に酒田の港があり,内陸部との交易や北前船の寄港地として繁栄した。北前船は,北海道と関西を結ぶ航路であり,酒田を中心とした庄内地方は関西の文化の影響をうけた地域である。山形県庄内地方に在住の調理担当者136名を対象としたアンケート調査をおこない,現在の郷土料理の実態を年齢層別に比較し,あわせて料理にみられる関西との共通点を確認した。1.日常作られている料理のなかで,手のかかる料理や季節感を感じる料理が減少する傾向にあった。2.年齢を39歳以下,40〜49歳,50歳以上の3つのグループにわけ,料理の知名程度,作成状況を調査した。知名度は年齢により差がみられる料理はあったが,知らない料理はなかった。料理の作成度では,若い世代では限られた料理しか作られておらず,幅広く料理を作成しているのは50歳以上であった。3.他の行事と比較すると,正月料理が最もよく作られていた。どの行事の料理も40歳以下でも料理は作っているが,50歳以上に比較すると,減少しつつある。4.交易によってもたらされた食材には棒だら,身欠きにしんなどがあり,京都では芋棒,茄子とにしんの煮もの,にしんそば,庄内地方ではいも子汁,うどとにしんの煮物などに使われていた。最後に,本調査にご協力いただいた八幡町立(現酒田市)八幡中学校の関係者の皆様に感謝いたします。
著者
関連論文
- 京都府三地域の豆といもの利用状況について
- 山形庄内地方の郷土料理とその伝承
- 山形庄内地方の郷土料理
- 九州におけるいも類の嗜好と摂取頻度
- 高齢者の食生活の実態 : 男性と女性の比較
- 高齢者の食生活の実態 : 食事満足度を用いた解析
- 老人の食生活の実態
- 家庭におけるおせち料理の伝承について
- レーズンより単離した酵母の同定および製パン特性