技能系定年退職者の企業内キャリア : トヨタ労働者の事例研究(廣川和市教授退職記念号)
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概要
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本校では,1990年代初頭から2000年代初頭までの時期にトヨタ自動車を定年退職したブルーカラーを対象として,企業内職場経歴・キャリアの特徴を事例研究のかたちで考察している。事例研究の対象である12ケースを到達した職位を基準に3つのグループに分類して,企業内職場経歴・キャリアにおける「重大な転機」に焦点をあてた事例研究を行なうとともに,同一グループに属するケース間の比較検討を行なっている。この12ケースが55歳を迎えた1980年代後半から1990年代半ばまでの時期は「職層制度」から「職能資格制度」への転換によって「職位解任制度」が廃止されていく時期と重なり,専門技能職制度が導入されていく時期でもある。こうした人事制度改革が個々の労働者の戦場経歴・キャリアに及ぼした影響という構造的な局面だけでなく,個々の労働者のキャリア形成への主体的努力や自己選択の局面も分析している。
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