安全色のリスク認知における北京と東京の比較 : 予備調査報告

概要

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安全色のリスク認知に関する国際比較研究の予備調査として,本研究では,北京在住の中国人学生を対象にJIS Z 9103に採用されている安全色8色の潜在危険度について調査を行い,落合・齋藤(2005)の研究における東京在住の日本人学生の結果との比較検討を行った。これらの8色は,赤,オレンジ,黄,緑,青,赤紫の安全色6色と,黒,白の対比色2色であった。色名と色票の2種類の色刺激を用いて,2つの被験者群に割り当てた。120名の中国人学生がリッカート尺度を用いて8色の潜在危険の程度を評定した。また,北京の学生には安全色8色に対する自由連想語も調査した。その結果,東京ではオレンジの危険度評定が黄よりも有意に低かったが,北京ではオレンジと黄の評定に有意差が見られなかった。赤と白の危険度評定においては,北京と東京との間で顕著な文化的差異が見出された。東京の学生は赤の危険度を最も高く評定したのに対して,北京の学生は東京の学生よりも赤の危険度を低く評定した。対照的に,東京の学生は白の危険度を最も低く評定したのに対して,北京の学生は東京の学生よりも白の危険度を高く評定した。色彩連想の分析から,赤と白に対する北京の学生の評定には,中国におけるこれら2色の文化的意味が影響を及ぼした可能性が示唆された。
2007-12-01

安全色のリスク認知における北京と東京の比較 : 予備調査報告

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