ロンドンの中・小規模 TERRACED HOUSE 研究ノート(2)
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概要
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本稿はロンドンに一般にあり都市景観の主要な要素となっているTERRACED HOUSEについて町並み構成パターンを中心に調査した結果について記すものである。今回はロンドンの西部Queens Park 駅の南側のKensal Green 地区を対象とした。範囲はLondon & Northwestern Railwayの線路を北の境とし、南は運河Grand Junction Canal Paddington Branchそして東はKilburn Park Roadで囲われた地域(図-02上図)である。結果として51街路(家並としては133)3366住戸についてのデーターを収集し分析を行なった。前回のFluham地区との比較でこの地区の特徴を述べると家並み構成単位については(b)の鏡写しの2戸を組み合わせたものがFluham地区では76%、Kensal Green地区では75%と大きな差はないが、(d)の(b)と(c)を組み合わせて更に大きなパターンを成すものが前者3%、後者6%、(e)の(b)または複数の(b)と別の1戸を組み合わせて大きなパターンを成すものが前者4%、後者11%と2倍以上の差がみられた。1家並みに見られる建物の施用面デザインの種類についてはFulham地区では1種類(62%)と2種類(24%)でほとんどを占めているのに対し1種類(34%)、2種類(34%)そして3種類(23%)と異なったデザインの住戸を多用しているという特色がみられた。全体構成についてはFluham地区では(ア)単一のパターンを連続させるもの(71%)、(ウ)家並みを数区に分けそれぞれに別のパターンを並べるもの(通りによる分節無し)(21%)とこの2タイプで9割を占めるのに対し(ア)(47%)、(ウ)(10%)と6割弱であり、代わって(イ)家並みを数区に分けそれぞれに別のパターンを並べるもの(通りによる分節有)(16%)、(オ)の同一デザインで構成される家並を数区に分け分節点に別のパターンを配するもの(15%)、(カ)の同一デザインで構成される家並を数区に分け分節点に別のパターンを配し、全体として象徴的な形態を形作るもの(7%)がみられた。道路の両側の関係ではシンメトリーの関係にあるものがFluham地区の11%に対し20%と多くあった。また第1及び第2地区ではベースメント階を持たない2階建てで構成される家並みにInigo Johnesが目指した住戸を集めて宮殿のような立派な建物とするという考え方が色濃く出ていたといえる。
- 2009-03-25
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