市販ゲル化剤を用いた嚥下造影検査食に関する基礎的な検討(健康科学科)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
【目的】嚥下造影検査(VF)で用いられるバリウムがトロミの粘度を変化させるという報告はされているが、重度の嚥下障害者に多用されるゼリーの物性に及ぼすバリウムの影響を検討した報告は少ない。また、ゼリーの物性は温度によって影響を受ける。本研究では、バリウムの添加がゼリーの物性に及ぼす影響、及びバリウムゼリーを作製する際に静置する温度が物性に及ぼす影響を検討した。【方法】50w/v%に希釈した液体バリウムに、5種類の市販ゲル化剤(寒天、ゼラチン、キサンタンガム製剤、カラギーナン製剤、ペクチン)を用いてゼリーを作製した。対照として、バリウムを添加していない水ゼリーを作製した。測定にはクリープメータを用い、かたさ・付着性・凝集性を算定した。【結果】バリウムの添加の影響は、ゲル化剤によって異なることが分かった。バリウムゼリーの温度に対する影響もゲル化剤によって異なり、寒天、ペクチンは他のゲル化剤より温度の影響を受けにくい傾向が見られた。【結論】バリウムの添加によってゲル化剤により異なる影響を受け、また、温度変化に対するバリウムゼリーの物性の動態も異なった。このことから、VFに用いる検査食の規格化の必要性が示された。
著者
関連論文
- 市販ゲル化剤を用いた嚥下造影検査食に関する基礎的な検討(健康科学科)
- 各種市販トロミ調整食品の物性に及ぼす温度の影響
- 摂食・嚥下障害と栄養不良--経口摂取への移行のために (摂食・嚥下リハビリテーションと栄養管理) -- (全般,評価,基礎)
- 市販嚥下補助食品を使用した特別要途食品えん下困難者用食品許可基準(案)に関する検討
- CLINICAL CONTRIBUTION 嚥下食ピラミッドに準拠した嚥下造影検査食のつくり方
- 物性と栄養から考える重症心身障害児(者)に適した食事
- 摂食・嚥下機能の低下した人に提供する食事 (特集 嚥下困難のアセスメントから食事まで 私の施設の嚥下調整食)
- 嚥下機能の低下した高齢者の栄養管理 (特集 やわらか食品)
- 新しい特別用途食品制度の基準区分に準じた嚥下造影検査食の検討
- ペースト食の均質性に関する検討
- 嘸下調整食基準の学会試案と今後の介護食分野の展望 (特集 いま求められる介護食品・高齢者食品)
- Determination of a Suitable Shear Rate for Thickened Liquids Easy for the Elderly to Swallow