子育て支援の指針に関する研究 : ある子育て支援に看護者として参加した活動を通して
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は,子育てに悩む親子に個別的に関わり,親子の様子に変化が現れたと思われる場面を再構成し,それらを分析することで子育て支援に必要な実践上の指針を得ることを目的とする。研究対象は支援が必要と看護者が判断し,直接,関わりをもった看護場面である。研究方法は関わりの看護場面を再構成し,その中から看護的に意味のあるキーワーズに着目して,場面の特徴を取り出し,その特徴を概括する中から子育て支援に必要な実践上の指針8項目を得ることができた。1)支援する場は親子にとって安心の場であること2)母親に立場を変換し母親の子どもに対する思いを感じつつ,子どもの発育をアセスメントして持てる力を見極め,発揮するチャンスをつくり,できたことを母親とともに喜ぶ3)子どもの生活は家族の営みそのものであるから,母親の生活から子どもの24時間の生活を描き,その中で生命力を消耗させている事柄に気づく4)母親の困っていることを受け止め,先人たちが見出した育児の知恵を提供する5)母親の子育てを否定せず,母親と子どもの間に生じた対立を見抜き,解決の糸口をつかみ,子どもの発達段階を踏まえた方法をともに考える6)障害されている機能に着目し,健康な部分を生かして正常な機能を回復するための方法を考える7)母親が今までの育児を振り返り,新しい挑戦のきっかけをつくる8)親子のよりよい生活を描き,他の専門職者と協働して子育て支援の体制を整えるこの指針を子育て支援に関わる専門職者が意識的に活用することにより,子育て支援の質の向上に寄与するものであることが確認できた。
著者
関連論文
- 子育て支援の指針に関する研究 : ある子育て支援に看護者として参加した活動を通して
- 中堅看護職者の看護評価力の向上 : 自己事例の検討を通して
- 看護大生の風疹抗体保有状況に関する検討
- 子ども虐待を生んだ家族の要因と看護の役割