古建築の植物文様と動物文様におけるデザイン要素の追究 : 対数螺旋を通しての比較検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
古い時代,人間が創造した建築物に文様を刻むとき,何らかのメッセージを込めたはずである。それは,建築物に住む側の人間にとっては幸せな毎日が送れるような,そんな祈願を反映した呪術的なものを制作したであろうとの確信から,古建築における文様の意匠をCADにより対数螺旋を用いて合成し,再現することにより読み解こうと試みた。古建築の植物文様において,対数螺旋は植物そのものを表現したり,または単純化されたパターンとなって繰り返したり,渦を巻いたり,植物文様の余白を埋めたりと,リズミカルに見え隠れし,永遠の生命を演出していた。それは見るものに華やかさを与え,植物文様を神聖視させ,永遠に見守られているという信念を抱かせるのに効果的なデザイン要素として,現代に至るまで引継がれ使用されているものであった。一方,動物文様に関して,動物が文様として用いられる時,それは植物以上に何か意味があったのではないかと考え,植物文様と同じ方法で動物文様を検討。その結果,動物文様における対数螺旋は自ら発する力により見るものを元気付け,生きていることの喜びを共感させながら毎日の生活に息吹を吹き込むのに効果的なデザイン要素として,現代まで引き継がれ使用されているものであった。対数螺旋がその使用目的に応じて使い分けられ,デザイン要素として今日に至るまで使用されていることを明らかにした。
著者
関連論文
- 空間デザインにおける幾何学的形態と黄金比についての研究
- 古建築の植物文様に見る対数螺旋におけるデザイン要素の追究
- 古建築の植物文様と動物文様におけるデザイン要素の追究 : 対数螺旋を通しての比較検討
- B20 CADを用いた古建築の植物文様と動物文様におけるデザイン要素の追究 : 対数螺旋の役割について(形態論,造形論,表現論(デザイン理論・方法論研究部会),心「こころ」とデザイン,第55回春季研究発表大会)
- 空間デザインにおける幾何学図形の美に関するコンピュータを用いた数理的検討
- 産学協同によるコンピュータを用いた木製壁の制作
- 空間設計における幾何学図形の美に関するデジタルデザイン研究
- 空間設計における「美」を表現するためのデジタルデザイン研究
- スクリプトを使用したフラクタル図像の空間デザインへの応用
- 古建築の動物文様とデザイン要素としての対数螺旋
- Space Design Composed of Fractal Shapes
- 形の美を構成する対数螺旋とフラクタル
- フラクタル形体で構成する空間デザイン