ドイツ連邦・州間財政調整の財政責任史〔II〕 : 協調的連邦主義への振り子型トリガー
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概要
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ドイツ州間財政調整は,第1期の3段階から順に4段階,5段階のように多段階化したのではない。第2期は1955年財政基本規範に基づく税源「小結合」のもとで,一方の「極」の単段階化を選択し,富裕州が,間接限界責任の水平的財政調整を通じて貧困州のナショナル・ミニマムを支えた。しかし,1966年の戦後最大の不況に直面して,連邦政府は,貧困州の財政赤字を連邦補充交付金で調整したが,単段階調整のもとでは全体責任を確保できなかった。一方の「極」から他方の「極」の多段階(5段階)に向かう振り子理論において,第2期は,制度の本質的な問題点を明らかにしたという意味で,第3期の協調的連邦主義への道を開く「振り子型トリガー」になった。
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