ドイツ連邦・州間財政調整の財政責任史〔I〕 : 1950年代前半の算定方法と制度連携
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概要
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社会的連邦国家ドイツの協調的連邦主義とは,連邦国家の各州が州間財政調整において間接限界責任を発揮し,連邦政府が社会国家として全体責任を確保するように両者の「調和」(制度連携)を意味する。財政力の強力州の拠出や連邦政府の財政支援で弱体州を支えられないときや,中間州が連邦平均の自主財源でナショナル・ミニマムを確保できないとき,連邦と州は「共同決定」によって税率操作権を行使することになる。この直接限界責任への連携や,間接限界責任と全体責任の連携という2つの制度連携は,州間財政調整が「補充的財政調整」を導入した1950年代前半の「第1期」において,すでに開始されていたと判断できる。
- 近畿大学の論文
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