電子スペックル干渉法(ESPI)を用いた下顎4前歯および6前歯セグメント抵抗中心の確定
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概要
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歯を矯正力により目的の位置へ効率よく移動するためには,あらかじめその抵抗中心の位置を知る必要がある.歯の抵抗中心の位置と荷重ベクトルの関係がわかれば,歯に加えられる力とモーメントの組み合わせが決定され,歯の移動を予測することができるからである.そこで,より歯科矯正臨床に即した歯の移動におけるメカニクスを理解するには,歯単体のみならずセグメントを対象とした抵抗中心の確定が必要である.本研究は電子スペックル干渉法(ESPI)を用いた実験力学的手法により下顎4前歯および6前歯を一塊としたセグメントの抵抗中心の位置を三次元的にそれぞれ確定し,両者を比較検討することを目的として行った.その結果,下顎4前歯セグメントの抵抗中心は正面観においては両側中切歯間に,側面観においては中切歯の唇側歯頸部の表面から約6mm後方に,垂直方向においては中切歯の歯根長1/2付近に位置していた.下顎6前歯セグメントの抵抗中心は4前歯セグメントと比較して唇舌方向において約2mm舌側に位置していた.以上の結果から,この抵抗中心が考慮されることにより,下顎前歯部を一塊とした歯の移動において効率的なメカニクスの構築が可能になったと考えられる.
- 2008-06-25
著者
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