ニュートリノと宇宙
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概要
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スーパーカミオカンデやカムランドによるニュートリノ振動の検証は,ニュートリノに有限の質量があることを確実にした.これらの実験は標準太陽モデルの検証を可能にし,また地球内部からのニュートリノを検出することによって地球科学への応用の道が開かれたが,素粒子論の標準理論を越える理論の指針として重要なニュートリノ質量の絶対値についてはいまだ明らかではない.一方,ニュートリノは熱い暗黒物質として密度揺らぎの成長に影響を与えることで,宇宙における構造形成にとって重要な役割を果たす.このことから宇宙論的な観測によってニュートリノ質量に対する制限を得る可能性が得られる.本解説ではカムランドの振動実験と,近い将来可能になる高赤方偏移銀河サーベイを取り上げてニュートリノ質量測定の現状及び可能性について述べる.またカムランドの最近の成果である太陽,地球科学への応用についても触れる.
- 社団法人日本物理学会の論文
- 2009-01-05
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