日向夏栽培における課題と経営改善のための定量的考察
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概要
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The farmers of Citrus tamurana Hort. Cultivation in the Miyazaki Prefecture, Kiyotake-cho have achieved more effective management practices in cultivating the crops. The strategy to achieve further way of promoting Citrus tamurana Hort. Cultivation farming system was examined in this research. The purpose of this research was to clarify management form, manpower deployed, open cultivable areas and structured green house, cultivars, marketing system, problems associated, demand for the administration etc. In addition, research was directed to assess the method for doing management improvement that yields good farm income. Research was carried out deploying questionnaires and direct observation. The management of Citrus tamurana Hort. was analyzed by linear programming technique. The major problems and demands for path forward to farming system were appropriate time of cultivation, insect-pest management, virus disease diagnosis, creating new way of marketing management and replacing healthy saplings. And total farm income was found to be increased when there is increment in regular farm employment, increased use of insecticide, planting the virus free sapling. It is thus concluded that to promote the improved management more in all the cultivation area and to foster the scale of economy, appropriate application of an insecticide and the introduction of new and vigorous planting material became a pettinent condition. To establish remunerative management, therefore, the productive chain on administration, an agricultural cooperative, and the farmers of Citrus tamurana Hort. Cultivation cooperative would be worthy.清武町は宮崎県における日向夏の主産地であるが, 近年は, 担い手不足や高齢化等に伴う栽培管理の問題や, ウィルス病等の病虫害対策の問題, これらに伴う生産量確保の問題等, 生産を維持していく上での問題も顕在化している. 本研究では, 清武町における日向夏栽培の現状と課題を明らかにするとともに, 具体的な経営改善策を行った場合の効果について, 線形計画法を用いて定量的に把握した. そして,清武町における日向夏栽培の維持・発展のための課題を考察した. その結果, 繁忙期における雇用増加, 防除回数の増加, 改植の実施等の経営改善策を実行することにより, 主として施設日向夏の栽培面積拡大を通して所得拡大効果が見込まれることが明らかになった. あわせて, 経営改鞍を図る際には, 適切な防除及び計画的な改植を組み合わせて実施するとともに, 繁忙期には可能な限り無駄のないよう, やはり適切な雇用を行うこと, そして, 他の作目との組み合わせのなかで施設日向夏を位置付け, 生産振興を行っていくことが重要となることが示唆された. 今後, 生産者自身としては, まず適切な栽培管理を引き続き行うこと, 一方, 行政やJAサイドとしては, 病寄虫対策や改殖を進める際の具体的な支援, 高齢農家に対する労働力不足への対応等が重要であり, 各主体の連携を図りつつ日向夏栽培の振興を一層図っていくことが望まれる.
- 2009-01-30
著者
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