堆肥センターにおける経営収支の実態と改善方策
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概要
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堆肥センターは,畜産経営等に対する支援組織としての意義を有するが,運営面での様々な問題点,特に経営収支の問題が顕在化している.そこで本稿では,全国の堆肥センターにおける経営収支の実態を明らかにするとともに,経営収支改善のための具体的方策を提示した.その結果,(1)特に年間の堆肥製造規模1500-3000tの施設において赤字額が大きく,固定費的な性格の強い人件費,維持管理費,減価償却費等の違いが影響していること,(2)県・市町村や第3セクターにより運営されている施設やスクープ式を採用している施設,製造規模1500-3000tの施設では,規模に見合った適正な投資がなされていない可能性が大きいこと,(3)多様な販路の確保や袋詰堆肥の販売が多くなされることは,当然ながら赤字額の減少に顕著に寄与することを明らかにした.そして,経営収支改善方策として(1)堆肥の実質販売率の向上,(2)稼働率の向上と規模に対応した適正な投資,(3)畜産農家の費用負担ルールの明確化と人件費の削減,(4)堆肥の「上限価格」の見極めと設定,が必要・となることを損益分岐点分析を用いて定量的に明らかし,具体的な目標値を示すとともに,特に(1)に関しては,耕種農家が堆肥をより利用し易い体制の整備や広域流通・販売のための取り組みが重要であることを提言した.
- 2005-03-23
著者
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