博物館展示においてデザイン学領野が曖昧である原因を析出する試み : 国立民族学博物館特別展「2002年ソウルスタイル」を事例として
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概要
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本稿は、国立民族学博物館における特別展「2002年ソウルスタイル」に言及する文献に記された、鑑賞者による誤読の言説を分析対象とする言説分析の試みである。博物館展示には博物館・デザイン・鑑賞の三領野が関与すると考えられるが、各々の領野は曖昧で明確には区分し難い。本稿では、博物館展示において領野が曖昧である原因を析出することを試みる。分析には、精神分析学の知見の中から、主体の無意識的な領域の構造を説明する切断の論考の展開を試みた。分析からは、本事例の展示において、(1)デザイン学領野が全ての展示対象の部分であることが確認された。(2)博物館学領野において象徴化される展示対象の部分と、デザイン学領野において分離される展示対象の部分が等しいことが析出された。分析結果の考察から、(3)本事例の展示においてデザイン学領野が曖昧である原因は、本事例の展示における精神分析学的な構造にあることが説明された。
- 日本デザイン学会の論文
- 2008-09-30
著者
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