清酒業の構造変化と産地対応 : 構造改変期における対応と国際化
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概要
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清酒業は,わが国固有の酒類生産業として歴史的に形成された工業であるが,1990年代には,消費者の嗜好変化と欧米からの日本的生産・流通構造改変圧力および2000年代に入ってから様々な局面での国際化によってその構造が激変している。清酒業をとりまく環境変化への企業・組合の対応から以下の点が明らかになった。1)清酒業はその存在形態が多様化しており,産地内で企業の同一的行動は困難となってきた。2)組合を中心とした地域的集団は,体制的生産を支えることはできても清酒業を企業行動にもとづく産業像への展望を開かせる主体ではなくなっている。3)企業は,清酒産地の地域的な生産集団を優先する戦略から,戦略を同一にする全国の企業が地域を越えて集団化していることである。この点で近年の税制改正,規制緩和政策の果たした役割は大きい。4)したがって,今後,清酒業は体制的生産に対して主体的な企業戦略にもとづいて変革への道筋をつける必要がある。
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