どのような言葉かけが幼児の発想を支援するか? : 見立て絵にみられる4歳児と5歳児の想像的・情緒的表現に着目して
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は,幼児の見立て絵において,輪郭類似事例もしくは要素類似事例を含む「概念くずしパターン」という言葉かけパターンが,幼児の造形的なイメージの広がりを導き,その結果,幼児の見立て絵に情緒的表現やエピソード,多様なカテゴリーを組み合わせた想像的な絵が現れるかどうかを検討することであった。方法として,4歳児と5歳児に2つの「概念くずしパターン」のどちらかを与え,見立て絵を行ってもらった。その結果,4歳児は輪郭類似事例を含む「概念くずしパターン」を与えられた時に,一方,5歳児は要素類似事例を含む「概念くずしパターン」を与えられた時に,多様な見立て絵を行うことが明らかになった。これは,4歳児は未知の対象の輪郭像の類似性をきっかけにイメージを広げるが,5歳児は要素像の類似性をきっかけにしてイメージを広げるという発達的差異があるためと考察された。
- 2008-03-27
著者
関連論文
- 年長児の非再現的協同描画における協同性の事例研究 : 非再現的協同描画の支援を目指して
- PB055 見立て描画における幼児のイメージの発想に及ぼす言葉かけの効果 : 材料の特徴に着目して
- PG2-28 幼児の見立て絵に与える言葉かけの効果 : 幼児の見立て方略に着目して(教授・学習)
- 美術教育と教育心理学が手をつなぐ時(自主シンポジウムB7)
- どのような言葉かけが幼児の発想を支援するか? : 見立て絵にみられる4歳児と5歳児の想像的・情緒的表現に着目して
- PF005 幼児の見立て描画における視覚的イメージの多様性と複雑さへ与える発話行為の効果
- 幼児の造形的なイメージの広がりを導く保育者の発話媒介行為の分析 : 既有知識と具体的対象の統合力に着目して
- K387 見立て描画活動における年長児の見立て描画行動の分類 : 一斉保育場面に着目して(口頭セッション64 情操・心の教育)
- 自然物を使用した4歳児と5歳児の見立て絵活動の実践研究 : 他者との関係の中で獲得する素材に対する多様な見方に着目して
- 見立て描画遊び研究の展望 : 見立てのイメージの「創造」と導入の在り方に着目して
- PG067 想像表現学習における図工教師および保育士の発話種類と発話構成パターンの分析(ポスター発表G,研究発表)