チャールズ・バベッジの原価管理思想(III) : 著書・第1部「生産技術からみた経営管理の研究」(1)について
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概要
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著書『機械および諸工場の経済について』は,チャールズ・バベッジが「手計算よりも違く計算できる計算機を造りたい]という,彼の主たる研究目的に付随する成果であった。著書の第1部は,生産技術の面から仕事場や工場の経営管理に関する各種の問題を取り扱っている。高度の製造方法を英国に導入することの利益,さらに機械および諸工場から得られる利益とその源泉について詳細に示している。先ず,「機械および諸工場から得られる利益とその源泉」の下に,工具や機械の利用,英国の機械によるバンダナ・ハンカチの製造,英国における製造に従事する人々の増加,機械および諸工場から得られる利益の原因,人間の力を増加させる工具,労働時間を短縮する工具,通話管による時間の節約,ガラスを切断するためのダイヤモンドの工具,無価値と思える材料の再生,工具と機械の違いなど,主に工具が時間を節約するために利用されている事例を示し,その有利性を示している。また,ピンを整頓させるための工具の有利性,ピンを同一方向に揃える工具の便利さ,釘造りに役立つ万力と踏み子,障害を持つ人々を援助する踏み子,機械の分類と機械の有利性に関する研究,動力を生み出す機械の原理とエネルギーの循環,自然界の置換運動と人間の作用,時間と費用を節約するための工具,種つき綿花の輸送原価など,ピン製造の過程を通して,工具と力の伝導作用について示す。これらは,いずれも工具の改善がより合理的な製造活動を導き出すことに結び付いている。
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