児童文学作品にみられる文体的特徴
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概要
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児童文学には,一般文学とは異なった独特の表現様式がある。本論では,児童文学の独自性を探る一歩として,作品の文体に着目している。「誰(何)に向けて書くか」「誰(何)について書くか」ではなく,「どのように書くか」という観点からの試みである。本稿はその第一歩として,児童文学特有の文体的特徴を国立国語研究所発行の「分類語彙表」を使用し,その有効性をさぐっている。「分類語彙表」では,言葉の意味にもとづいた分類が行なわれるため,単語の難易の程度は一切考慮されない。また,助詞や助動詞を分類の対象としないため,文末表現に見られる特性も考慮されない。そのため,「分類語彙表」に基づいた分析では,児童文学の特性を明らかにすることはできなかった。このことは,児童文学の文体的特性が言葉の易しさや文末表現にあることを示している。
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