ドメスティック・バイオレンス(DV)のある家庭に育った子どもの援助に関する一考察(短期大学部保育科)
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概要
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本研究は、ドメスティック・バイオレンス(DV)にさらされている子どもとその養育環境としての被害当事者である母親とに焦点を当て、DVが特に子どもに与える影響と支援のあり方を明らかにすることを目的とする。筆者らの心理臨床的実践を通して出会った11名の子どもの中から3名の子どもをサンプルとして取り上げ、間主観的アプローチによりその状態像を記述し、DVの影響および支援の効果について分析・考察を行った。さらに、子どもと子どもが育つ環境としての親への援助はどうあるべきかについて考察した。その結果、以下の4点が明らかになった。1)両親間のDVにさらされることによって親に対してアンビバレンスを抱き、基本的安定感・信頼感が育っておらず、発達年齢に応じた自己表現ができない、2)被害当事者としての母親は自尊感情が低下しており、母子関係に困難を抱えている、3)DVによるトラウマに苦しみながらも、両者ともに困難を乗り越えて自分自身を回復させる心のしなやかさ(リジリアンス)を失っていない、4)リジリアンスが機能するためには社会的な支援が重要である。
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