高齢者の介護における感染症予防を目的とした自然免疫の意義
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概要
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自然免疫は全ての多細胞動物に存在している生体調節系であり、食細胞(マクロファージ)はその中枢的役割を担う細胞である。本研究では、マクロファージ活性化物質である小麦共生細菌由来糖脂質の経口・経皮投与によるアユの感染症に対する耐病性を調べ、本物質に対する魚類の免疫器官の応答性を、その効果発現機構に関連する分子である腫瘍壊死因子(TNF)遺伝子発現で調べた。結果、小麦共生細菌由来の糖脂質が、アユの感染症を含む疾患に対して改善をもたらすことを明らかにした。TNF遺伝子発現解析では、糖脂質の投与によってアユのTNFが誘導される事を確認した。このことから、哺乳類においても糖脂質の経口・経皮投与でマクロファージを活性化制御することができれば、高齢者の介護の分野においても、加齢による生理機能の低下とそれに伴う基礎疾患や感染症などの発症を予防・改善する一つの方法になると予想される。
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