中国経済の安定と構造変化 : 韓国との比較において (菅壽一教授退職記念号)
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概要
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本稿では、中国が長期にわたり順調な成長を遂げる一方で韓国がアジア通貨危機の中で屈折した点に注目して、両国の主要な経済変数のデータ生成過程(Data Generation Process)を比較することで、中国経済の成長と安定要因を分析したい。中国経済の分析で特に配慮されるのは、中国経済の二つの特徴とされる①中国元がドルとリンクする固定的な為替制度、②投資主導型の成長、の二点である。1980年代、90年代半ばまで共に順調な成長を遂げていた中国と韓国経済であるが、1997-1998年のアジア通貨危機では明暗を分けた。DGPの検討で分かったのは中国経済を主導している固定資産投資と輸出の安定性である。我々のDGPを通じた中韓比較は、金利などの金融政策にせよ為替政策にせよ、漸進的で一歩ずつ進む着実な政策が、長期的な成長につながることを示唆している。
- 広島大学の論文
- 2008-11-30
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