物質科学、生物科学、社会科学における不確実性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
物質科学、生物科学、社会科学に潜む不確実性が議論されている。物質科学においては、物質を構成する電子・陽子・中性子等の運動の中に不確実性が存在するだけではなく、環境の変化による構造変化においても不確実性が存在する。生物科学においては、認知システムの確実性を強化することが不確実性を生み出すこと、生物種の存続のためには遺伝システムに確実性と不確実性が必要であることが明らかになっている。社会科学においては、投資家心理に基づく資産市場価格の変動という不確実性が存在して、この不確実性の大きさを見積もる研究が行われている。不確実性は、物質事象・生物事象・社会事象の中に存在するだけではなく、事象を記述する方程式の中にもカオス解として存在する。科学は事象の不確実性の中で確実性を探る試みであるが、確実性は特別の条件の下においてのみ得られるだけである。
- 2008-06-30