直接投資と経済発展の方向性 -スペインを事例として-
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概要
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本論文では,スペインを事例とし,対外直接投資と対内直接投資の動向とその特徴を明らかにすることを目的としている。スペインの対外直接投資については,EUとラテンアメリカの2方向の投資傾向が見られる。EUにおいては,産業再編を目指したクロスボーダーM&Aにより,EU域内はもとより,グローバルでの競争に対応している。また,ラテンアメリカに対しては,言語,歴史的,文化的背景が同様であることから,サービス業を中心に積極的に進出している。 一方,対内直接投資は,主にEU諸国から,クロスボーダーM&Aを背景とした投資が行われてはいるが,スペインからの企業の撤退・移転の問題が深刻である。特に,製造業を中心に見られ,それは低い労働コストを利用した比較的技術水準の低い分野のみならず,比較的技術水準の高い分野でも生じている。その上で,Dunning and Narula (1996)やNarula (1996)の研究で示されている直接投資と経済発展のパターンにスペインを当てはめてみると,対内直接投資よりも対外直接投資が上回っていること,優位性においても,創造資産を持ちうるような段階にあると言える。
- 2008-12-11
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