自閉症における「障害特性に応じた教育」再考:障害特性に応じつつ、障害特性をこえていく教育へ〔特集:特別支援学校における教育実践上の課題〕
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概要
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本論では、現在のわが国の特別支援教育をすすめるうえで基本概念となっている「障害特性に応じた教育」の意味について再検討した。最初に、1990年代以降の障害特性の内容について、それ以前の使われ方と比較しつつ検討を行った。続いて、「障害特性に応じた教育」における論点について検討した。その結果、「障害特性」は、明確な定義はなされていないものの90年代以前と異なり、人格特性を含まず、行動的な特徴および心理的な特徴に限定して使用されていることが明らかになった。また(1)障害特性は変化するのかどうか、(2)なんのために障害特性に応じた教育を実施するのか、という2つの論点が設定された。以上を踏まえて、障害特性に応じつつも、その障害特性を子ども自身がコントロールできるように支援することが重要であることを指摘した。
- 全国障害者問題研究会の論文
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