感染性心内膜炎術後に発症した感染性仮性尺骨動脈瘤の1切除例
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概要
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感染性心内膜炎に対する心臓手術2ヵ月後に発症した尺骨動脈の感染性動脈瘤に対して切除術を施行したので報告する.症例は59歳の男性.呼吸困難,発熱を主訴に入院となった.Methicillin-resistant Coagulase Negative Staphylococcus (MRCNS)による僧帽弁の感染性心内膜炎と診断された.頭部CTにて右後頭葉に出血を認めたため,1ヵ月間の抗生剤治療の後に僧帽弁置換術を施行した.術後1ヵ月間の抗生剤点滴加療の後,CRP,白血球数の正常化の後,退院となった.手術2ヵ月後,突然右肘部に拍動性の腫瘤が出現した.造影CTにて尺骨動脈に動脈瘤を認めた.手術は尺骨動脈瘤を切除し,上腕動脈より橈骨動脈まで大伏在静脈を用い再建した.組織培養にて細菌は検出されなかった.感染性心内膜炎に起因する感染性動脈瘤は治癒後も増大する可能性があり,炎症反応陰転化後も注意深い経過観察が必要であると考えられる.
- 2008-09-15
著者
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